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フェムケアとは?|注目成分から法規制まで解説
近年、女性特有の健康課題に向き合う「フェムケア」市場は急速に拡大しています。
生理や更年期などライフステージごとの悩みに寄り添う商品やサービスへの関心が高まる一方で、
商品開発を検討する企業にとっては、どの成分を選び、どのように訴求するかという課題に直面する場面も少なくありません。
本記事では、フェムケアの基本的な定義や市場動向、注目される成分、商品開発において欠かせない法規制まで、企業担当者が押さえておきたいポイントを解説します。
フェムケアとは?
フェムケアは「Feminine(女性)」と「Care(ケア)」を組み合わせた造語です。もともとはデリケートゾーン向けのケア製品を指す言葉でしたが、現在では女性の健康や生活の質を高める製品やサービス全般を含む、より広い概念として認識されています。
女性は、生理や妊娠・出産、更年期といったライフステージごとにホルモンバランスの変化が訪れます。こうした変化にともなってさまざまな健康課題や悩みが生じるため、フェムケアはそれらの課題解決を目指す取り組み全体を指します。
具体的には、デリケートゾーン専用ソープや保湿剤といった外側からのケアだけでなく、サプリメントや機能性食品などのインナーケア商品も含まれます。
2021年の新語・流行語大賞にノミネートされた「フェムテック」という言葉が広く知られるようになったことで、社会全体で女性の健康問題への関心が高まりました。
その結果、フェムケアという概念も急速に認知が進み、現在では多様な商品カテゴリーが展開される成長市場となっています。
フェムケアが注目される理由
フェムケアが注目される背景には、大きく3つの理由があります。まず、女性の社会進出が進んだことです。
働く女性が増えるにつれて、生理痛やPMS(月経前症候群)、更年期症状といった女性特有の体調変化が仕事の効率や生産性に影響する問題として認識されるようになりました。
経済産業省の試算では、月経随伴症状による労働損失は年間約4,911億円にのぼるとされています。
次に、SDGs(持続可能な開発目標)におけるジェンダー平等の推進です。女性が働きやすい環境づくりや健康支援の重要性が高まり、企業には女性社員の健康課題に配慮した取り組みが求められています。
その一環として、フェムケア商品やサービスを活用した福利厚生制度の導入が進み、企業発の需要も増えています。
そして、SNSの普及により、これまでタブー視されてきたデリケートゾーンや生理に関する悩みが可視化されたことも大きな要因です。匿名で情報交換できる場が広がったことで、多くの女性が同じ悩みを抱えている現実が共有されました。
その結果、ケアの必要性への理解が深まり、フェムケアへの関心が一気に高まっています。
※出典:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」
フェムケアとフェムテックの違い
フェムケアと並んでよく耳にする言葉が「フェムテック」です。フェムテックは「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、テクノロジーを活用して女性特有の健康課題を解決する製品やサービスを指します。
具体的には、月経管理アプリや排卵日予測システム、オンライン診療サービス、ホルモン検査キット、ウェアラブル端末による体調管理ツールなどが挙げられます。
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった先端技術を用いて、より精密で個別性の高いケアを提供する点が特徴です。
一方、フェムケアはテクノロジーの有無を問わず、女性の健康やQOL向上を支える製品やサービス全般を含む概念です。
つまり、フェムテックはフェムケアの一部であり、そのなかでもテクノロジーを活用したものをとくにフェムテックと呼ぶと理解するとわかりやすいです。サプリメントや機能性食品などのインナーケア商品は、比較的参入しやすい領域といえます。
女性ならではのお悩みとは
女性の身体は一生を通じてホルモンバランスが変化し、そのたびに心身へさまざまな影響があらわれます。ライフステージごとに生じる悩みや市場ニーズを丁寧に理解することが、ターゲットに響く商品開発のポイントです。
月経(PMS・生理痛)に関する悩み
生理前から生理中にかけて現れるPMSや生理痛は、多くの女性にとって毎月繰り返される負担です。
イライラや気分の落ち込み、集中力の低下といった精神症状に加えて、腹痛や頭痛、だるさなどの身体的不調が重なります。
また、生理用品によるムレやかぶれ、においなどの不快感も、日常生活や仕事のパフォーマンスを下げる要因になります。
妊活・妊娠・産後のリカバリー
妊娠期や産後は、女性の身体が大きく変化する時期です。
妊娠中はホルモンバランスの変動によって肌が乾燥しやすくなり、デリケートゾーンも敏感になります。出産後は骨盤底筋が緩むことで尿漏れが起こりやすくなるうえ、授乳にともなうホルモン変化の影響で肌荒れや疲労の蓄積が進みやすくなります。
更年期(メノポーズ)における心身の変化
40歳から55歳頃に訪れる更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少する時期です。この変化によってほてりや発汗、イライラ、不眠といった「更年期症状」があらわれることがあります。
また、エストロゲンの減少は膣の乾燥や萎縮を引き起こし、性交痛や尿漏れといったデリケートな悩みにつながります。こうした症状は閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)と呼ばれ、QOLを著しく低下させる要因になります。
デリケートゾーンのトラブル(乾燥・かゆみ・におい)
デリケートゾーンの皮膚はまぶたよりも薄く、外部刺激に対して非常に敏感です。下着との摩擦やムレ、汗やおりものによる刺激が重なることで、乾燥やかゆみ、においなどのトラブルが起こりやすくなります。
とくに注意したいのが「感染症」です。デリケートゾーンは本来、乳酸菌(デーデルライン桿菌)が膣内を酸性に保ち、雑菌の侵入を防いでいます。このバランスが崩れると、細菌性膣炎などのリスクが高まります。
フェムケア市場で展開される主な商品・サービス例
前章で確認した市場ニーズに対して、実際にどのような製品形態や剤形で解決策が提供されているのかを見ていきます。フェムケア市場は多様な商品カテゴリーで構成されており、それぞれが異なるアプローチで女性の悩みに応えています。
デリケートゾーンケア
外側からのアプローチとしては、専用ソープや保湿クリーム、オイルといった製品があります。専用ソープは肌に近い弱酸性(pH4.5前後)に調整されているため、膣の自浄作用を妨げずに洗浄できます。
保湿クリームやオイルは、乾燥によるかゆみや黒ずみを防ぐだけでなく、下着との摩擦を和らげる役割も担います。
近年は、天然由来成分を配合したものやオーガニック認証を取得した製品への関心が高まっています。敏感肌の女性でも安心して使えるような、低刺激でシンプルな処方設計が求められています。
サニタリー・月経関連
生理中の快適性を高める製品として、オーガニックコットンナプキン、布ナプキン、月経カップ、吸水ショーツなどが普及しています。これらは肌への刺激を抑えるだけでなく、環境負荷の軽減の観点からも注目されています。
とくに吸水ショーツは、ナプキンが不要で洗って繰り返し使えるため、生理中の快適性と経済性を両立できる商品として人気を集めています。
ライフステージ別サポート
妊娠線予防クリームや骨盤底筋トレーニング器具、冷えやほてりを緩和するグッズなど、物理的なサポートを提供する商品も充実しています。
骨盤底筋は出産や加齢の影響で緩みやすく、尿漏れの一因になります。自宅で手軽にトレーニングできる器具は、産後ケアや更年期対策として需要が高まっています。
インナーケア・栄養サポート
体の内側から女性特有のバイオリズムや健康を支える商品として、サプリメントや健康食品への関心が高まっています。錠剤やカプセル、ドリンク、ゼリーなど多様な剤形で提供されており、忙しい現代女性にとって手軽に摂取しやすい点が魅力です。
鉄分やカルシウムなど不足しがちな栄養素を補うもの、乳酸菌で膣内環境を整えるもの、イソフラボンでホルモンバランスをサポートするものなど、目的に応じた商品が幅広く展開されています。
協和薬品では、こうした多様な剤形に対応可能な製造体制を整えており、企業のニーズに合わせて柔軟に商品設計を行うことができます。
フェムケア商品開発で注目される成分
フェムケア市場では、科学的根拠にもとづいた成分選定が信頼性の鍵を握ります。消費者が「この成分は自分の悩みに合っている」と実感できる商品設計が求められています。
こちらの記事では、プロポリスの効能について解説しています。
更年期の不調改善や免疫サポートも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
膣内環境を整える「乳酸菌」
膣内には本来、デーデルライン桿菌と呼ばれる乳酸菌(ラクトバチルス菌)が存在し、環境を酸性に保つことで病原菌の侵入や増殖を防いでいます。このバランスが崩れると、細菌性膣炎やカンジダ膣炎などの感染症を引き起こすリスクが高まります。
近年では、経口摂取した乳酸菌が膣内環境にもよい影響を与える可能性についても研究が進められています。
更年期ケア・美容向けの独自素材「ドルソップ」
独自素材は商品の差別化を図るうえで強力な武器になります。協和薬品が提供する「HDLSOP(ドルソップ)」は、鮭の卵巣外皮から抽出した低分子オリゴペプチドです。
ドルソップはプラセンタに似たアミノ酸組成を持ちながら海洋生物由来であるため、感染症リスクが低いことが特徴です。
また、コラーゲンペプチド様の働きもあり、肌のハリや潤いを支える美容成分としての期待も高まっています。
さらにハラール認証を取得しているため、宗教的な制約がある市場でも展開しやすい素材です。
ホルモンバランスをサポートする「イソフラボン」
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つ植物由来成分です。
更年期にエストロゲンが減少するとき、ホルモンバランスを穏やかに整える働きが期待されています。イソフラボンには「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類があり、アグリコン型は体内での吸収率が高く、より効率的に働くとされています。
健康維持のための栄養素(鉄分・カルシウムなど)
女性は月経によって定期的に鉄分を失いやすく、その結果として貧血になりやすい傾向があります。鉄分が不足すると疲労感や集中力の低下が生じます。
鉄分は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高まるため、配合設計でもこの組み合わせを意識することが重要です。
カルシウムは骨の健康維持に欠かせない栄養素であり、とくに更年期以降はエストロゲンの減少によって骨密度が低下しやすくなるため、意識的な摂取が推奨されています。
保湿・整肌のための植物由来成分
デリケートゾーンは非常に敏感な部位であるため、配合成分の安全性が何よりも重視されます。カミツレエキスやシアバター、ホホバオイルなどの植物由来成分は、低刺激でありながら保湿力が高く、デリケートゾーンケア商品の主要成分として広く用いられています。
さらに、オーガニック認証を受けた原料の採用や合成香料・パラベンフリーといった配慮は、敏感肌の女性にとって大きな安心材料になります。
「フェムケアは怪しい」と言われる理由
市場が急成長する一方で、フェムケアに対してネガティブなイメージを持つ声も一部で聞かれます。こうした疑念を払拭し、信頼されるブランドを築くためには、消費者が抱く不安の原因を正しく理解し、誠実な商品作りを心がけることが重要です。
科学的根拠(エビデンス)の不透明さ
フェムケア商品のなかには、効果の根拠が曖昧なまま、科学的データにもとづかない宣伝が行われているものも存在します。企業が信頼を得るためには、臨床試験データや第三者機関による検査結果を公開するなど、エビデンスの透明性を確保することが求められます。
悩みを強調し不安を煽る過度なマーケティング
女性の悩みの深さにつけ込むような過激なキャッチコピーや、不安を過度にあおる広告表現は、かえって不信感を招きます。商品の価値を伝えるときは、悩みに寄り添いながらも、前向きで希望を持てるメッセージを届けることが重要です。
周囲の目を気にするユーザー心理
デリケートゾーンや生理に関する話題は、依然としてタブー視されがちです。こうした心理的ハードルを下げるためには、オンライン販売を充実させることやパッケージデザインを工夫することが有効です。
外箱から商品の中身がわからないようにする配慮や、シンプルなデザインを採用することで、購入しやすい環境を整えられます。
法規制を遵守した適切な広告表現の選択
フェムケア商品のなかでも、とくにサプリメントや健康食品では、薬機法(医薬品医療機器等法)と景品表示法の遵守が重要になります。これらの法律を十分に理解しないまま広告表現を行うと、行政指導や措置命令の対象となるリスクがあります。
薬機法では、医薬品ではない商品について疾病の治療や予防効果をうたうことを禁じています。たとえば、サプリメントで「生理痛を治す」「更年期障害を改善する」と表現することは違反となります。
一方で「女性特有のゆらぎをサポート」「快適な毎日を応援」のように、身体の構造や機能に直接の影響を示さない範囲での表現は認められています。
景品表示法では、実際よりも著しく優れているように見せかける優良誤認や、実際よりも有利な条件であるかのように見せる有利誤認が禁止されています。「業界No.1」「絶対に効く」といった根拠のない最上級表現や断定表現は避ける必要があります。
協和薬品では、50年以上にわたる健康食品製造の実績にもとづき、薬機法を踏まえた広告表現のアドバイスも行っています。
エビデンスにもとづく訴求ポイントの整理から、コンプライアンスを意識した商品設計まで、企業の皆様が安心して市場に参入できるようサポートしています。
※出典:e-Gov法令検索「医薬品医療機器等法 第66条・第68条」
まとめ
フェムケア市場は今後も拡大が予想され、女性の健康とQOL向上を支える社会的インフラとして重要な役割を担っていくと考えられます。
企業が信頼されるフェムケアブランドを構築するためには、エビデンスにもとづいた成分選定、薬機法を遵守した適切な広告表現、そして消費者の心理に寄り添った商品設計が欠かせません。
協和薬品は、50年以上の健康食品製造実績を持ち、独自素材「ドルソップ」や「コタラヒムブツ(サラシア)」を活用した商品開発をサポートしています。企画から製造、品質管理、出荷、アフターサポートまで一貫して対応しており、錠剤・カプセル・ドリンク・ゼリーなど多様な剤形での製造が可能です。
小ロットでの製造にも対応していますので、ぜひ一度ご相談ください。
協和薬品では、錠剤の打錠工程やカプセル製造のご相談を受け付けております。
自社打錠機と協力工場で企画から出荷まで対応し、独自素材の活用提案も可能です。
お困りの際にはぜひお問い合わせください。
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